写真家を知る#1 佐内正史「シャッターを切る」2016.2
僕がカメラを「少し真面目にやろう」と舵を切ったのは2016年1月。
当時発売したCanon 7d mark 2と24−70mm F4のレンズキットを30万円で購入し、写真部へ入部し、その仲間と共にいろいろな場所へ撮影へと行きました。(5月には仕事の都合で退部)
それと、その頃から「プロの写真家のお話」を聞くことに興味を持ち始めました。
今回は、くるりやエレファントカシマシ、中村一義、のジャケットを撮影した"佐内正史"さんのお話を思い出してみようと思います。
▼今回のお話はこちらのイベントにて▼
佐内正史さんの第一印象は、、
流浪の人、というか、、ホームレス、、というか、、自然体、、というか・・。
とても自由なイメージでした。
佐内さんは、自分の持っている世界観がとても強く、共通言語ではない、独自の言語がたくさん出てきました。
そんな宇宙の言語を、モデレーターの方はできる限り、オーディエンスにもわかるような言語に落とし込んでくれていた、ように記憶しています。
今回のトークセッションの参加者には、佐内さんが撮った金沢の写真で構成された冊子がもれなくもらえる、という企画で、今回の冊子のそれぞれの写真について語ってくれました。
DMにもなった写真が、先ほどのイベントの詳細ページから見れるのですが、「青いホースって宇宙っぽいよねえ・・いいよねえ・・」と言っていたような気がします・・笑
そのほかにも
「やっぱり水っていいよねえ・・生命って感じだよね・・」
「金沢っていいよねえ・・・じめじめしてて、愛、って感じ」
などなど。
うーん、面白い。
僕が一番面白いな、と思ったのは「シャッターを切る」という言葉にまつわるお話。
「シャッターを切る」
「写真を撮る」
この2つのワードから想起されるイメージはどんなものだろうか?
佐内さんは「僕はシャッターを切る」と言っていました。
とにかくいいと感じたものはすぐ撮る。
反射的に。自分の感性に導かれて。
その「シャッターを切る」時には全神経を集中させる。
だからその瞬間はすごく疲れる。
それに対して「写真を撮る」という行為は、例えば
・富士山を三脚を立てて、美しい構図で撮る
のようなもの。
これは反射的に、というより作為的に美しい画を撮る、という行為。
これを聞いて、僕は自分が目指している写真のイメージが少し掴めた気がした。
僕は「シャッターを切りたい」。
自分が「美しい」と思った瞬間や「これはきになる」と思った瞬間に、すぐシャッターを切りたい。
深く考える前に、自分の思考に追いつかれる前にシャッターを切りたい。
そうして、自分は何が好きなのか?何に魅力を感じているのか?について考えていきたい。
そんな風に思って、今でも撮り続けています。
話はそれますが、アラーキーは「シャッターを落とす」と表現したそうです。
うーん、日本語は面白い!
そのほかにも、佐内さんはドラクエ廃人だそうで、ドラクエの世界でも写真を撮り続けているようです・・笑
あとは道端で何か気になったら、その対象に対して、20枚でも写真を撮ってみると何か見えるかもね〜、という話もありました。
そうやって、自分が好きなものが何なのか、見極めて行くのが大事なんだろうなあ。
兎にも角にもここで出てきた「シャッターを切る」という言葉と、その意味を僕は一生忘れないと思います。