大判カメラと僕、第2話「道端のディアドルフ」
■前回までのあらすじ
大判カメラのフィルムが叩き売りされているのを見つけ、Mr.メルカリの田中ヤスタカは、居てもたってもいられなくなり購入してしまった!
だけども、田中は大判カメラを持っていない!
さぁ!どうする田中!どうなるフィルム!
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とある日曜日に「桜を撮りに行こう!」ということで井の頭公園へ。
桜をとにかく撮りまくり、『シャボン玉と光』をどうやって綺麗に撮れるか、を追求し、夕暮れ時が終わりかけた頃、あたりをうろうろしていると。
おじいちゃんが何やら三脚を立てて、いそいそしておりました。
(なんかでかいカメラ・・?え・・?大判カメラ・・?)
思わず立ち止まり、そのおじいさんとカメラをじーっと見つめておりました。
(あ、絶対そうだ、絶対大判カメラだ)
とわかったので話しかけてみることに。
僕「・・これ、大判カメラですか?」
爺「そうだよ、珍しいね。あなたも、立派なカメラを持ってるねえ。」
(pentax 67をこのとき持ってた)
僕「この大判カメラ、ずっと見てみたかったんです・・!撮るところ見てていいですか?」
爺「ええ、べつにいいですよ」
そんなこんなで、じっとお爺ちゃんと対話をしつつ、大判カメラで撮るところを見ていました。
お使いの大判カメラは"ディアドルフ"8x10のサイズが撮れる、僕が見て見たかったカメラだった。(前回お話に出てきた上田義彦さんがお使いのカメラもディアドルフ)
shooted by Contax Aria / Kodak Super Gold400(6年期限切)
この蛇腹の部分が箱の中に収まって、持ち歩けるような状態になります。
いやあ、美しい。惚れ惚れしちゃう。
ここからはおぼろげに記憶をたどり、おじいさんとお話したことをかちらほらつづってみます。
・買ったディアドルフは、ディアドルフをもともと作っていた人が新たに作ったもの?個人でやっている?ので、頼んでからこの商品が届くまで、1年くらいかかったらしい(何度も催促した上で!)
・お値段は3000ドルほど
・フィルムはヨドバシに売っている
・この日はもう真っ暗になる手前でシャッターをきっていたのでシャッタースピードは2分ほどで撮影
・その前に、シャッタースピードやF値を露出計で計算(現像状況に合わせて加味して計算)
・シャッター音はほぼ無音、レリーズでシャッターを開け、レリーズでシャッターを閉じる
・撮ったものは自家現像をして、引き伸ばさずそのサイズでプリントするそうな
いやあ、いろいろお話していただけて。
そして、見たかったカメラを生で見れて、とても嬉しい出来事でした。
しかし8x10までいくと、持ち運びや撮影は、お手軽にはいけないっすね。
今後、道端のどこかでディアドルフに会うことはあるんだろうか。
またどこかで会いたいものである。